diabetic footと糖尿病患者の全身血管の評価

diabetic footは糖尿病の代表的な合併症であり、予後にも大きな影響を与えます。

国際的には

”神経障害や末梢血流障害を有する糖尿病患者の下肢に生じる感染、潰瘍、深部組織の破壊性病変”

と定義されます。

 

近年、diabetic footは世界的に増加しています。

糖尿病患者の足潰瘍では7~20%が下肢切断に至り、下肢切断例は予後が不良です。

Diabetic Footは一般的に自覚症状に乏しく、

重度の血流障害を有していても足病変や跛行症状を呈さない症例もあるため、

重症化してから受診する症例が少なくありません。

 

diabetic footを有する患者の死因の多くは、

脳梗塞や心筋梗塞といった心血管イベントであり、

介入が遅れればそれだけ予後不良となる可能性が高くなるため、

受診の遅れが大きなネックになります。

 

diabetic footの治療方針は成因や、部位、感染の有無などにより異なります。

末梢循環障害すなわち末梢血管でのプラーク形成とそれに伴う血流障害を有する患者では、

外科的バイパス術やカテーテルを用いた血管内治療による血行再建が行われることがあります。

 

糖尿病患者の全身血管では気づかないうちにプラークが形成されています。

diabetic footだけではなく、心筋梗塞や脳梗塞などの発症を抑えるためにも

糖尿病患者では早くから全身血管を意識した治療介入が不可欠です。

 

全身血管の状態を評価するために用いられる非侵襲的な指標としてABIとIMTがあります。

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出典:Diabetic Footから糖尿病患者の全身血管を考える MediChannel

ABI(足関節―上腕血圧比)は末梢動脈および全身血管の状態を表す指標です。

安静時にABI≦0.9であれば一般的にPAD(末梢度云脈疾患)と診断されます。

ABIが低いほど下肢動脈病変は重症であるとされており、

ABIが低下するにつれ予後は不良になります。

 

IMTも血管評価にしばしば使われる指標です。

頸動脈の肥厚は冠動脈や脳血管の状態を反映するとされています。

頸動脈IMTが1.1以上の場合に異常肥厚と診断されます。

頸動脈IMTは治療の効果測定の指標としても用いられます。

 

糖尿病患者における全身血管の管理の流れは、

まずABIやIMTなどの指標を用いて糖尿病患者の血管状態を正しく評価し、

脂質異常症などのリスク因子への適切な介入を行い、

全身血管におけるプラーク形成の予防に努めるようにします。