
胆石症
胆石症とは・・・
胆嚢や胆管に結石ができて、それによって痛みなど様々な症状が引き起こされうる病気の総称
リスク
糖尿病、肥満、女性、ホルモン製剤、避妊薬の内服
症状
ほとんどは無症状に経過する
胆石発作は一度起こると繰り返す
胆石がある患者の6~12%に胆管結石があり、それらは膵炎や胆管炎のリスクになる
胆石発作
右上腹部の急性の疼痛
変動なく突然発症し、1時間でピークを迎える
90%は10年以内に再発する
急性胆嚢炎に至った場合、Murphy signが身体所見で重要
Murphy sign
右季肋部を抑えると吸気時に痛くて呼吸が止まる
診断
腹部エコー → 胆石の感度98%、特異度95%
腹部エコーで胆石が描出できなかった場合にはMRCPを行う
MRCPとERCPは診断精度は同等であるが、ERCPの方が侵襲的であり、出血、膵炎、胆管炎が4~10%で生じる
治療
無症状の胆石の場合、胆石溶解剤を内服しても疼痛予防効果はない
通常は無症状の胆石は経過観察するが、磁器様胆嚢(胆嚢癌のリスクあり)、溶血性貧血、3cm以上の胆石では手術を考慮する
胆石発作、胆嚢炎で手術する場合、ほとんどは腹腔鏡下胆嚢摘出術になる
“胆汁(たんじゅう)は食事で摂取した脂肪分やビタミンの消化・吸収を助ける黄褐色の消化液で、肝臓で1日に700ml〜1l作られています。この胆汁が通る道を胆道(たんどう)と呼びますが、胆道は肝内胆管(かんないたんかん)、肝外胆管(かんがいたんかん)、そして胆嚢(たんのう)に分けられます”
“胆道に結石(けっせき)ができる病気を総称して胆石症と呼び、結石ができる場所によって、肝内結石、胆管結石(肝外胆管にできた結石)、胆嚢結石に分類されます。 ”
“胆石はその成分により、コレステロール系結石、色素結石(ビリルビンカルシウム系結石、黒色石)、その他まれな胆石に分類されます。頻度はコレステロール系結石が70%、ビリルビンカルシウム系結石と黒色石がそれぞれ15%です。”
“胆石症とは、胆のうや胆管に石ができて、痛みなどさまざまな症状を引き起こす病気の総称です。”
“胆汁が何らかの原因によって固まり、「胆石」と呼ばれる石ができてしまうことがある”
“胆のうにできる結石は、コレステロール結石という白っぽい丸みをおびた石であることが多く、時には数十個も見つかることがあります。”
“胆管結石はビリルビン結石という黒っぽいものが多く、一個でも激しい症状を引き起こすことがあります。”
“超音波検査などで胆のうに石が見つかっても、本人にはまったく症状がないことは決して珍しくありません。
症状がなければそのまま経過を見ていくのが現在の考え方です。しかし、いつ症状が現れるかわかりませんし、石の刺激で胆のうの壁が厚くなったり、ガンが発生する可能性もあるので、超音波検査などで定期的に検査観察を続けていかなければなりません。”
“胆のうの石が移動して胆のう胆管や総胆管に詰まる場合もありますが、もっと肝臓よりの肝管に石が詰まった場合には、なぜその場所に石ができたのか、原因も含めて総合的に対策を考える必要があります。本来、胆のうのように胆汁が濃縮されて石ができやすい場所ではないはずですから、胆管の形に異常があるとか、肝臓の内部に問題があるとか、難しい要因がからんでいる可能性もあるからです。”